<レー~マナリー Day4>しばしの休息

2009年 9月 8日 at 3:08 am 2件のコメント

左からニサ(WWF)、アマンダ、ギャビン、私、タシ(WWF)

左からニサ(WWF)、アマンダ、ギャビン、私、タシ(WWF)

8月13日この日は、WWFの調査オフィスのあるツォカー(Tso Kar)で一日休みをとる事にした。山々に囲まれ、平原に囲まれた湖のあるここツォカーは時間を追うごとに違う姿を見せてくれて本当に美しい。美しい景色とWWFのスタッフのおもてなしが疲れた体を癒してくれる。

早く登っておいで~!

早く登っておいで~!

朝はタシがジープで湖の周りを案内してくれた。ジープで道なき道を進む。湖に近づくと、周りの山々が湖面に写り本当にきれいだ。彼らはここで野鳥の調査をしている。ということで、野鳥を見るときに使う高い台に連れて行ってくれた。そこからは、湖が一望できる。ギャビンはあるときから高所恐怖症になり初めは登ってこなかったが、私たちの感嘆ぶりに意を決して登ってくる。野性の馬みたいな動物を見ることができた。

タシがこの地域の地球温暖化の影響について話してくれた。ここツォカーの湖の水位は急速に下がっているという。それは、雪が降らなくなったせいらしい。そのせいで、野生の動物にも影響が出ているという。湖があり、草原の広がるこの地域では多くの渡り鳥が子育てをしにやってくる。しかし、湖の水が減ったせいで環境が変わり、その数が昨年と比較し今年は30パーセント以上も減少したという。このままこの現象が続けば、ブラックネックケインをはじめ、絶滅の危機に瀕する動物が増えるのは間違いないであろう。このような環境は世界にツォカーだけではない。同じような影響を受ける地域が悲しいかな世界にはたくさんあるであろう。

美しい動物たちの楽園が失われつつある…

美しい動物たちの楽園が失われつつある…

帰り道、タシがジープをとめた。ここでは自然を守るためにキャンプが禁止されている。キャンプをしている人たちがいたので注意しに行ったのだ。今回もそうだったが、大概の人がきちんと説明すれば理解してすぐにやめるらしい。しかし、時には口論になることも。キャンプをする人も、ここが美しい場所だからキャンプをしたいと思うはず。でも、その行為が環境を壊すことになる。地道な努力だが、人々の意識を少しずつでも変えていくしかない。それにしても、この広い草原を管理するのは大変だ。

ニサの正しいお洗濯レッスン

ニサの正しいお洗濯レッスン

午後は、この3日間の汚れ物を洗濯する。電気も水道もないこの町では、選択は井戸で汲んできた水で手洗いだ。靴下などの小さなものは手洗いしたことがあっても、ズボンなどの大物は初めて。手こずっているとニサがコツを教えてくれた。そこでニサに聞かれた。東京ではどうやって洗濯しているの?と。はっとした。東京では当たり前のように洗濯機で洗っているけれど、それは当たり前のことではない。

環境についての青空レッスン

環境についての青空レッスン

ニサの調査を見に行く。広い平原の草を調査している。新種を発見したこともあるらしい。ニサの調査のアシスタントに話を聞いた。彼はこの場所に10年住んでいる。地球温暖化について聞いてみた。ここツォカーは6,000mを越える山々に囲まれた湖のあるところである。その山々に急な変化が起こっているらしい。10年前は山の3分の2まで占めていた氷河が、今は頂上にほんの少しあるだけになっている。南側に面している氷河はもうないという。そして今年の冬は初めて雪がまったく降らなかったという。氷河はこの地域に住む人々、動物、植物にとって大切な水資源である。これからもこの地域に人が住み続けるためには、氷河は絶対不可欠のものである。

この氷河、10年前は山の3分の2まであったという

この氷河、10年前は山の3分の2まであったという

氷河がなくなっているという話は聞いていたが、実際にその場所で話を聞くとそのあまりの速さに驚かされる。そして、私たちの生活がこの現象に大きく関わっていることを忘れてはいけないと強く思った。

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イムジャ氷河を見に行ってきます! イムジャ氷河から帰ってきました!

2件のコメント Add your own

  • 1. masami  |  2009年 9月 12日 1:37 am

    二人旅が始まったのね。
    でも、いろんな人達と交流ができてるみたいだから、結構二人じゃない時の方が多いのかな?
    キレイな場所だとキャンプしたくなる気持ちはよくわかるけれど、その行為が環境を壊す事になるとは・・・それを理解するのは難しいと思うけれど、それに関わっている方々の地道な活動があって始めて環境が守られているのね。
    それにしても、すごく・・・なんとも言えないすばらしい景色。
    東京にいると、環境破壊が進んでる事を、あまり目に見えて感じる事が出来ないけれど、今、エリちゃんのいる所でははっきりとそれを感じられるんだろうね。
    そういえば、春に長野へ行った時の事を思い出したんだけど、例年通りでは、4月はまだ山に雪はあるはずなのだけれど(by タクシーの運転手さん)、今年はもう暖かくて山に雪が見当たらなかったの。
    徐々にきてるんだね。

    返信
    • 2. ericycle  |  2009年 9月 20日 7:06 pm

      >masamiさん
      東京にいると、エアコンでいつでも快適な部屋にいられるし、周りはコンクリートだらけだし、ぜんぜんわからないですよね。
      私も、ネパールは初めて来たから違いはわからないけど、現地の人に話を聞くと、そんな短時間で変わっちゃってるんだって
      衝撃を受けます!
      地球は人間のものじゃないので、人間の勝手な都合で台無しにしたくないですよね。
      そうです、二人旅が始まりました。
      でも、トレッキング中はガイドさんがいたり、交流もあったりしてまったり二人きりってわけじゃないですけどね。
      ずっと二人だけだったらいくら何でも息が詰まっちゃいます(笑)

      返信

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